遠視、内斜視四年間の経過観察
2021/03/30
本日のblogの難易度【★★★★★】
今朝の体重は75.7キロ。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は545人。
よし!体重はほぼほぼもとに戻ったぜ!
そして今月は忙しく、動画のネタはあれども
編集時間が取れずにアップ出来ていませんが、
じわじわとチャンネル登録者数が
増えていて有難いこってす。
因みに次回の動画は丸いレンズがメガネに収まるまでを
長回しした動画に僕の解説を交えて
お伝えしようと思っていますので、
乞うご期待でござる。
今日のblogは四年前に作った眼鏡の再点検という形で
ご依頼頂いた遠視で内斜視のお方の事例を紹介したいと思います。
先ずはレフケラと言われる機械の数値がこの四年間でどんな変化を
見せたのか、それとも変化しなかったのか?実際の数字でご覧くださいね。
【四年前のレフケラ】
他覚 | R | 2.00 | -1.25 | 2 | 31.00 | 1.50 | 1.50 | |
L | 1.50 | -1.00 | 26 | 31.00 | 0.60 | |||
角膜乱視 | R | -1.75 | 174 | |||||
L | -1.25 | 15 |
【2021年のレフケラ】
他覚 | R | 2.50 | -1.00 | 2 | 31.00 | 1.50 | 1.20 | |
L | 2.25 | -0.75 | 38 | 31.00 | 0.50 | |||
角膜乱視 | R | -1.50 | 176 | 色覚特性 | 8 9 | |||
L | -1.00 | 23 | 5 2 |
前回よりもレフケラの測定値が遠視を強めに測定されています。
これは度が進んだというよりも緊張が抜けて本来の眼の屈折異常が炙り出された
と判断するのが適切だと僕は思っています。
この機械の数値に意味は無いとはいいませんが、「あて」にしてはいけませんと
僕はこのblogで伝えてきました。検査時間の短縮にはなりますし、
参考程度にはなりますから、勿論は意義はあるのですが、
実際の測定値は別物になるなんて良くある話です。
では四年前の完全矯正値と現在の完全矯正値をお見せしますね。
【四年前の完全矯正値】
両眼解放 | R | 3.75 | -1.25 | 180 | 62.0 | 1.2 | 1.2 | |
L | 3.25 | -1.25 | 25 | 1.2 |
【2021年の完全矯正値】
両眼解放 | R | 3.75 | -1.25 | 180 | 62.0 | 1.2 | 1.2 | |
L | 3.50 | -1.00 | 30 | 1.2 |
このお方の四年前の御年齢が20代後半、現在が30代前半ですから、
度数の安定期に入っていますから大幅には変わりません。
今回も微妙に変化していましたから、そのチューニングをさせて頂きました。
斜視になっていたので、その斜視矯正でプリズムをベースアウトで
入れて眼鏡を仕立てていますが、そのプリズムの度数は変わったのでしょうか?
【四年前のプリズム量】
R:4△(プリズム)ベースアウト
L5△ベースアウト
【2021年のプリズム量】
R:6△ベースアウト
L:6△ベースアウト
このように眼鏡に組み込むプリズム量は増えています。
では斜視角は増えたのでしょうか?
【四年前の遠と近の斜視量(プリズムディオプター換算)】
遠見眼位 | +15 | 近見眼位 | +12 |
【2021年の遠と近の斜視量(プリズムディオプター換算)】
遠見眼位 | +14 | 近見眼位 | +14 |
この様に殆ど変化していません。
にもかかわらずもっとプリズムを欲しがっていますが、
プリズムを入れて緊張が抜けて、更にプリズムを欲しがることは
良くあるのですが、それは外斜視でも内斜視でも同様です。
またプリズムに対して否定的な方々のご意見として
よくあるパターンはプリズムを入れると筋肉を怠けさせて
もっとひどい斜視になると予想している人がいます。
僕は逆だと思っていて、斜視の人にとっては斜視を放置することこそ、
眼を遊ばせる悪い癖を習慣化させるのですから、
両目を使える環境に整える事で斜視量が減る事例も多数あります。
僕は今回の事例を見てもそうですが、眼鏡に組み込むプリズム量としては
増えていくことは確かにあるのですが、斜位量や斜視量が一方的に増えていく
というケースは僅か7000名強のケース例に過ぎませんが、
安定期に限ってそんな事例は一件も見た事がありません。
融像除去眼位という難しい言葉がありますが、
両目で捉えた像を重ね合わせて人は物を単一視し、
そして両目の視差を利用し更に高度になると立体視をします。
その融像刺激を外した状態で僕は斜位や斜視量を
目測します。するとプリズムを入れるとその目測値は変わらず、
他の視標を用いた測定値、多くは(一部融像除去眼位と言います)
測定値は増大する傾向にありますが、
完全融像除去眼位に一部融像除去眼位が近づくと理解してください。
ただし、加齢に伴い、
第二次変動期(40~46歳以降)は
遠視は増えて、近視は減る傾向にあります。
この時期にはその遠視や近視の量の変動に伴い、
斜位量は増えたりします。
これを勘違いしてしまっている方もいるのかもしれませんね。
今回は四年振りのご対面でしたが、
有難いことですが、何も不満がなく、
四年間快適だったと有難いお言葉を頂きました。
今回のコロナ禍で廃業の危機に立たされましたが、
こういった言葉を頂くと、そう簡単にお店を潰すものか、
と褌を締めなおす次第でございます。
それではまたこのblogでお会いしましょう。